IT・AI・ガジェットを、使う人の目線で
2026年10月16日のIT・AI・ガジェットニュース
AIの利用範囲が広がるなか、モデルの公開条件、声の権利、計算機を結ぶ通信基盤の整備が同時に進みました。
AIの公開と利用条件、社会を支える基盤づくり
Metaは開発者が重みを扱えるモデルを公開し、日俳連は声を学習・生成・公開する各段階で本人の許諾を求める指針を示しました。NTTは量子コンピュータやAI、データセンターをつなぐネットワークの国際対話を提案しました。性能に加えて、ライセンスや許諾、通信基盤の条件を確かめる必要が高まっています。
Metaが8160億パラメータの「Muse Spark Open」を公開
Metaは10月15日(米国時間)、Muse Sparkの重みを公開しました。合計8160億、1トークンごとのアクティブパラメータは420億のMixture of Experts型モデルです。テキスト・画像・動画・音声を入力でき、最大約100万トークンの文脈を扱えます。出力はテキストです。
MetaはAppleと協力してApple Silicon向けに最適化し、M5 Ultra搭載Mac Studio 2台での動作例を示しました。重みはHugging Faceから入手できますが、一般的な家庭用PCで手軽に動かせるという意味ではありません。利用条件はMuse Model Licenseに従うため、商用利用やサービス提供を考える開発者はライセンスを確認する必要があります。
利用者が確認したいこと
- 開発者は重みを取得し、対応環境で実行や調整を試せます。
- 公開ベンチマークは特定条件での比較であり、実業務の品質や速度を保証しません。
日俳連が声の生成AI利用ガイドラインを発表
日本俳優連合(日俳連)は10月15日、声優・俳優の声をAIに使うための「音声に関する生成AI利用ガイドライン」を発表しました。本人の声を学習、生成、公開・利用する各段階で、目的を示した事前許諾を得ることを求めています。
指針には、包括的な一括許諾を避けること、利用期間を原則最長1年とすること、適切な対価を支払うこと、多言語化や故人の声の扱いに配慮することなどが含まれます。これは日俳連が示す業界向けの指針で、法律そのものではありません。事業者は個別契約や法令上の義務も別途確認する必要があります。
利用者が確認したいこと
- 音声AIを作る企業や制作会社は、データの出どころ、許諾範囲、利用期間、報酬を契約段階で整理する目安になります。
- 発表は10月15日で、10月16日に報道されました。
NTTが量子コンピュータとAIを結ぶネットワークの国際議論を提案
NTTは10月16日、ITU-Tが10月7日にニューデリーで開いた業界幹部会合で、量子コンピュータ、AI、データセンターなどをつなぐ将来ネットワークについて国際対話を提案し、議論継続で合意したと発表しました。焦点は将来のネットワーク構成や相互接続です。
NTTは継続協議の場として、2027年の同会合を日本に招致します。今回決まったのは議論継続と会合開催であり、具体的な国際標準がすでに成立したわけではありません。
利用者が確認したいこと
- AIや量子計算を複数拠点で使うサービスでは、計算機だけでなくネットワークの接続性や共通仕様も重要です。
- 今後の会合で仕様が決まるか、参加組織や対象技術がどう広がるかが次の確認点です。
出典
- Introducing Muse Spark Open, The Most Capable US Open-Weight Model to Date(Meta AI Research) — Metaの発表。公開日、モデルの規模・入力形式・文脈長、Mac Studio 2台での実行例を確認。
- Muse Spark Open Model Card(Hugging Face) — 配布モデルの仕様とMuse Model Licenseを確認。
- 「音声に関する生成AI利用ガイドライン」発表(日俳連) — 日俳連の公式発表。許諾、対価、多言語化、故人の声に関する指針を確認。
- 声のAI利用に新指針、日俳連 事業者に求める対応は(ITmedia AI+) — 10月16日の報道。指針の運用上の要点と法的拘束力がないことを確認。
- 光通信技術を活用した量子コンピュータと量子ネットワークの国際標準化議論の推進をITU-T業界幹部会合で合意(NTT) — NTTの公式発表。会合での提案と議論継続の合意、2027年会合の日本招致を確認。